
本記事ではこんな疑問に答えています。

私がエアサスペンションの存在を知ったのは、2018年にキャンピングカーを購入してスグの頃。
なぜかと言うと、「キャンピングカーの横揺れ対策にエアサスを付けたほうがいい!」「エアサスに変えて正解!」という話がネット上(オーナーさん達のブログ記事など)に結構落ちていたから。

でもエアサスは、工賃を含めると何十万円もする高価な買い物です。
そこで、キャンピングカーを購入してその後修理なども頼んでいるビルダーさんにエアサスとはどんなものなのか・横揺れ対策に取り付ける必要はあるのかを相談してみました。
その内容をふまえた解説を本記事で行っていきます。
本記事の内容
- サスペンションのそもそもの役割
- キャブコンタイプキャンピングカーの横揺れ
- エアサスペンション導入のメリット・デメリット
- エアサスペンション導入失敗談
- 我が家がエアサス導入したのかどうか
本記事がエアサスへの交換を考えている・迷っているというかたの参考になったら嬉しいです。


サスペンションの役目とは
そもそもサスペンションは、四輪の車体とタイヤの間の位置にある装置で次のような役目を持っています。
- 車輪を支えることでタイヤが路面から受ける衝撃を和らげる
- 乗り心地と走行性能を向上させる





ではなぜキャンピングカーになると突然エアサス問題が出てくるんでしょうか。

キャンピングカー(キャブコン)は横揺れがある
原因はキャンピングカー(キャブコンタイプ)の横揺れです。
うちもキャブコンタイプなのですが、購入後まず驚いたのはその横揺れ。

ポイント
キャブコンタイプのキャンピングカーは、そんなにスピードを出さなくても横揺れを感じます。
特に後部座席にいると、その感じ方は強くなります。

そこで、エアサスペンションの登場。

エアサス導入のメリット|キャンピングカーの横揺れが解消される
通常のサスペンションは金属の弾力性を使うのに対し、エアサスペンションはその名の通り空気のバネで調整します。
- 通常のサスペンション⇨金属のバネ
- エアサスペンション⇨空気のバネ

この空気のバネを使って車体の高低を調整し、金属のバネでは吸収しきれない振動ですら和らげてしまうという、これだけ聞くとメリットばかりのパーツです。

そこで、いつもお世話になっているビルダーさん(車体購入店でもあります)へ相談しに行きました。

エアサス導入のデメリット|縦揺れが発生する
ビルダーさんはエアサス導入をオススメしませんでした。
結構びっくりですよね。
エアサスが売れれば工賃も含めて何十万円ものお金が会社に入ります。
それなのに、ユーザー(我が家)にとってのデメリットをしっかりと教えてくれた上「エアサスの取り付けはやめたほうが良いですよ。」と言ってくれました。

エアサスペンションによる横揺れ改善方法
キャンピングカーの横揺れ問題改善法は次の通り。
【横揺れ改善方法】
通常のサスペンションをエアサスペンションに変えた上で、硬く調整する



デメリット:縦揺れが原因で、酔いやすくなる
キャンピングカーの横揺れ改善の為に施した【硬めの調整】のせいで、なんと縦にハネやすくなってしまうのだそう。
道路にはちょっとした浮き上がりや軽い段差(劣化など)ありますよね。
これに思いっきり反応するようになるんだとか。
本来エアサスペンションは金属製サスペンションでは吸収することの出来ない振動を和らげることが出来るのに、横揺れ防止策として【硬めに調整】することで、逆にハネやすくなってしまうという結果に。
結果どうなるかというと・・・

縦揺れの酔いは船酔いやバス酔いと同じメカニズム
船酔いやバス酔いというのは、不規則な揺れなどが自律神経系や平衡感覚の乱れを引き起こしてその結果、酔いを発生させ頭痛や嘔吐を引き起こすと言われています。
でも同じ乗り物にのっていても、運転している人や助手席の人ってあまり酔わないですよね。(稀に、運転しながら酔う人もいますが…)
それは、事前に【揺れの乱れ】を意識・認識できているから。
(道路を見ていれば分かりますもんね)
キャンピングカーの後部にいる他のメンバーは、道路の状態が分からないですよね。
横揺れ問題を抱えていた時の揺れというのは、たまに訪れるカーブ揺れ・風の揺れ(後部メンバーも風を認識出来ている状態)でした。
ところが、エアサスを導入し硬く調節することによって道路からの跳ね上げ振動が多くなり、後部にいる人間が酔う確率が高くなってしまうんです。
既述の通り、サスペンションというのは乗り心地も走行性能もどちらも完璧な状態に調整するというのはめちゃくちゃ難しいパーツであることがよく分かります。

エアサスペンション導入して「良くなった」と感じているキャンピングカーオーナーさんの共通点
私が何人かのオーナーさんブログを拝見したり、エアサス導入をしている会社のHPを見ていて気がついた共通点があります。

【気付いた共通点】
キャンピングカー走行時、後部座席(居住部分)に座る人がいないメンバー構成


実際、エアサス導入を止めてくれたビルダーさんは次のように言っていました。
ビルダーさんの言葉
だから、走行時後部座席に座るメンバーがいる構成のゆうりさん家にはオススメしない。
ビルダーさんの静止を振り切ってエアサス導入して最悪な結果になったご家族のお話
我が家のエアサス導入を止めてくれたビルダーさんのお客さんの中に、「どうしてもエアサスを取り付けたい!!!」と言った方がいたそうです。

ビルダーさんの静止を振り切ってエアサスを導入
我が家にしてくれたように、ビルダーさんはそのお客さんへもエアサス導入をやめるよう、理由と共に伝えたんだとか。


ところがそのお客さんは「どうしてもエアサス付けたい!」と譲らず、ビルダーさんはそれ以上止めることは出来なかったそう。
結局そのお客さんは何十万もかけてエアサスを導入したそうです。

エアサス導入後、後部座席メンバーのご家族が嘔吐
エアサスを導入させてすぐ、そのお客さんは「やらなきゃよかった…」と連絡してきたそうです。
今までキャンピングカーで酔ったことのなかったお子さんが、エアサスに変えた途端に乗り物酔いを起こし車内で嘔吐したのだそう。



ちゃんと対応策はあります。



注意


何十万円も出したのに、横揺れ解消しないまま。

まとめ表|キャンピングカーへのエアサス導入のメリット・デメリットと、導入してもOKな人・やめたほうが良い人
以上のことから、【横揺れ解消のためにエアサスペンションを取り付けた場合のメリット・デメリット】は次のようにまとめられます。
エアサス導入メリット・デメリット | |
---|---|
メリット | ・横揺れが解消されることにより、走行時コーナリングや停車時の揺れが減る ・居住性がアップする |
デメリット | ・細かな縦揺れが発生しやすくなり、後部座席に座っているメンバーは車酔いしやすくなる。 |
同じく、【横揺れ解消のためにエアサスペンションを取り付けてもOKな人・やめたほうがいい人】は、次のようになります。
エアサス導入してもOKな人・やめたほうがいい人 | |
---|---|
OKな人 | 1人~2人でキャンピングカーを利用している等、走行時後部座席に座るメンバーがいない構成 |
やめたほうが良い人 | 走行時後部座席に座るメンバーがいる構成 |
キャンピングカーオーナーになって分かったこと|キャンピングカーの横揺れは慣れます

【このぐらいのスピード・このぐらいのハンドルのきり方をすると、このくらいの揺れ方をする】という計算を頭の中で事前に出来るようになんだとか。
この事前計算に合わせて運転すれば問題ないと言っています。


そもそもキャンピングカーは高速道路であってもスピードを出して運転するものではないですし、強風の日にわざわざ出かけるものでもないですよね。







ポイント
おわりに|ネット情報に惑わされず冷静に的確に判断しよう

「キャンピングカー エアサス」などと検索すると、エアサス導入してくれる会社も出てきてエアサス導入のメリットの言葉もずらーっと並べられています。
物事には良い面もあればそうでない面もあります。

- エアサス導入で成功した人はどのような使用の仕方をしているのか
- 運転レベルは?
- 家族構成は?
- 車の基盤の状態は?
実は知らないことばかりですよね。

- 本当、エアサス付けなきゃよかった…
- 縦揺れすごいし酔うしお尻イタイし。お金の無駄だった…
なぜこのような失敗談が少ないのかは分かりませんが、もしかしたらキャンピングカーを所有している年齢層に関係あるのかもしれませんね。
我が家がキャンピングカー購入したのは、夫が37歳・私が36歳の頃。
けれど周りを見回しても同じくらいの年齢でキャンピングカーを所有している人はほとんど見かけません。
リタイア組だったり子供がもう一緒に出かけないという年齢のオーナーさんのほうが圧倒的に多いんです。
つまり、走行時後部座席に誰かが座ってる状態にならないオーナーさん。
エアサス導入がデメリットとなるパターン(ファミリー人数が多い)のオーナーさんよりも、エアサスのメリットを享受出来るパターン(ファミリー人数が少ない)のオーナーさんのほうが母数が圧倒的に多いために、エアサス導入失敗談を目にすることが少ないのかもしれませんね。
注意
ただ1つ、絶対に気を付けて欲しいことがあります。
もしビルダーさんなどのプロに相談しに行く場合であっても、メリットだけでなくデメリットを具体的に伝えてくれる方の話を信じるようにして欲しいです。
ユーザーのキャンピングカー生活最適化を心から考えてくれているビルダーさんというのは、ユーザーの快適レベルが落ちるような事は勧めてきません。
自分の会社の利益だけを考えて行動することはせず、デメリットをしっかり教えてくれます。


我が家はキャブコンにエアサスペンション導入しませんでしたが、もちろんエアサス導入したほうが良くなるオーナーさんもいます。
じっくり検討した上で(もし可能であればエアサス導入済みのキャンピングカーを何日かレンタルしてみるなど)、本当に導入したほうが良いのかを決めて下さい。

マックスファンへの交換も、そのビルダーさんにお願いしました
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