
タイヤ管理についてちゃんと知っておきたい。
本記事ではこんな疑問にお答えします。

この記事で分かること
- タイヤバーストを引き起こす主な原因3つ
- バーストを引き起こさないための管理方法
キャンピングカーライフが楽しくてついつい管理や点検が後回しになっていませんか?
安全意識の高いオーナーさんが沢山いる一方で、知識不足だったり「別にいっか」とつい管理を後回しにしている方もいるんじゃないでしょうか。
YouTube等を見ていても、ちょっとこの使いかたは危ないでしょ・・・と心配になってしまうかたもいます。
このような『誰かを巻き込む可能性のある事故』が知識不足・意識不足が発生してしまっては大変です。
そのうちの1つがタイヤバースト(破裂)。
特に、購入店がキャンピングカービルダーさんやキャンピングカー専門取扱店じゃない場合は要注意です。


キャンピングカービルダーさんや専門取扱店で購入していない場合、キャンピングカー管理における注意点を購入者に伝えてもらえていない事も十分考えられます。
キャンピングカーは楽しいオモチャではなく『車両』です。
自分たちだけでなくみずしらずの誰かを傷つけたり命を奪う可能性を持っている、凶器にもなりうるものなんです。


タイヤバーストを引き起こす3つの原因
キャンピングカーのタイヤバーストを引き起こす原因は主に次の3つに分けられます。
- タイヤ空気圧の過不足
- キャンピングカーの過積載
- タイヤの劣化

原因①タイヤ空気圧の過不足

キャンピングカーだけでなく、空気で管理する車輪がついている車両は全てタイヤの空気圧を調整する必要性があるんです。
タイヤの空気は時間が経過するごとに抜けていくので、適宜空気圧をチェックして充填しなければいけません。


注意ポイント
空気圧の過不足はタイヤ損傷や事故に繋がる可能性があります。
キャンピングカーのタイヤ空気圧は車両に記載された数値じゃダメ
その車両のタイヤ空気圧をどのくらいに保てば良いか?というのは、実は車種ごとにメーカーが指定しています(車両指定空気圧)。


車両指定空気圧
車両運転席側ドアまたは給油口付近に貼られている【空気圧表示シール】に記載されている。

一般乗用車の場合
自然漏れによる空気圧低下を考慮して指定空気圧0~+20kPaの範囲で調整する。

ベース車両に記載されている数値は、あくまでベース車両のまま使用して荷物や人を載せる事を前提に算出されています。
しかしキャンピングカーとなると、ベッド・ソファー・キッチン・棚などの家具に加え、乗車人数も多くなる場合も考えられます。




タイヤ空気圧数値はキャンピングカービルダーさんに聞くこと
道路(アスファルト)が熱くなる夏場に特にバーストが多くなるそうですが、そうならない為にも日常的に管理をして予防しましょう。


ミニ事件簿
以前セルフではないガソリンスタンドへ立ち寄った時、店員さんが「空気入れ過ぎなのでちょっと抜いておきますね!」と抜いてしまったことがあります。
すぐに入れ直してもらいましたが、自分でキャンピングカーについて理解し管理出来ていないとこのまま空気圧が不足している(又は多い)状態で走行してしまう可能性もあるので注意が必要です。
キャンピングカーのタイヤ空気圧の確認タイミング
キャンピングカービルダーさんからは月に一度は空気圧を確認してほしいと言われています。

セルフガソリンスタンドであっても空気圧確認・充填(または抜く)ための機械が置いてあるので自分でも出来ます。
出発前に自宅でチェックしているオーナーさんも大勢います。
空気圧をチェックする機械はそんなに高価ではないので、頻繁に長距離使用する場合は車に載せておくのも安心材料になって良いと思います。





原因②キャンピングカーの過積載
キャンピングカーに荷物を積み過ぎていることでもタイヤには負担がかかります。
ただでさえベッドやキッチンなどが装備されていて重たいキャンピングカー。
そこに全乗客の体重と持ち込む荷物が加わるんです。

そのため、なるべくタイヤへの負担を軽減させる工夫が必要になってきます。

過積載対策①キャンピングカー未使用時は荷物を降ろす
使用せずに駐車場に置いてあるだけでも、車内に重い荷物を載せたままだとタイヤへの負担はかかり続けます。
面倒でもなるべく荷物は下ろして下さい。

過積載対策②荷物を置く場所のバランスに気をつける
キャンピングカー車内に荷物を置く際のバランスに注意するだけでもタイヤへの負荷は分散されます。

場所確認すべき備え付け設備例
- キッチン
- 水タンク
- テーブル&ソファ
- トイレ
- エアコン
- 室外機
- 電子レンジ
- テレビ
- 吊り収納棚 等

これら設置設備のバランスに合わせて持ち込む荷物の置き場所を考えてみて下さい。

過積載対策|ジャッキアップはオススメしない
「未使用時にほんの少しだけジャッキアップで車体を浮かしておくとタイヤの負担が減る」と教えてくれているサイトもありますが、自分で行うのは危険なので私はおすすめしません。
重さが何トンもある車体をバランス良くジャッキアップするのは難しいです。
ほんの少し位置がズレただけで、自分の腕や脚に落ちてくる可能性があるとても危険な作業。


夫の父がTOYOTAの技術者なのですが、個人でのジャッキアップはたとえ一般乗用車であっても非常に危険だからやらないように。と言っていました。
原因③タイヤの劣化
タイヤはゴムで出来ているため、何もしなくても劣化していきます。
キッチンで使うような輪ゴムも時間と共に固くなり、伸びなくなってバチン!!!って切れちゃうことありますよね?
車両のタイヤも同じこと。

タイヤを取りつけてから3年ほど経過したら新しいタイヤに交換することを検討しはじめて下さい。
タイヤ負担・安定性という点ではシングルよりもダブルタイヤ
トラックベースのキャンピングカーのタイヤは、シングルタイヤとダブルタイヤの2つがあります。
ダブルタイヤは、後輪が左右2本ずつ計4本
多くのキャンピングカー車両がシングルタイヤなのですがダブルタイヤがベースになっているキャンピングカーも存在します。

キャブコンの車体(重さのかかりかた)をイメージしてもらえると分かりますが、設計上前輪より後輪への負担のほうが多くかかります。


負担が多くかかるこの後輪を2本ではなく4本のタイヤで支えることで耐荷重のレベルが上がりますし、もしどこか1本がバーストしてもまだ後輪が3本残っているの支え続けることが出来ます。
ただしダブルタイヤだからバーストしない、絶対安全という意味ではないのでご注意下さい。
ダブルタイヤのうち1つが破裂した衝撃で別のタイヤも破裂する可能性も十分考えられます。
それにダブルタイヤはシングルタイヤに比べて見えにくい部分があるので、バースト前兆の発見が遅れる場合も。



ダブルタイヤ仕様のベース車両と、採用キャンピングカー
まだ数が少ないとはいえ、ダブルタイヤ仕様のキャブコンは存在します。
キャンピングカーのベース車両として利用されることの多いトヨタ・カムロードも2019年式よりダブルタイヤに。
トヨタカムロード2019年式は、それまで指摘されていたダブルタイヤの以下欠点を改善して発売されました。
- 左右タイヤの距離(トレッド)の狭さ⇨ワイドトレッドに改善
- フロントタイヤより小径だったタイヤ⇨大径化しフロントタイヤと同サイズに
上記2つを改善したおかげで横風・カーブ等でのふらつきに対する安定性がグンと上がり、さらに耐荷重もアップしました。


①ナッツRV:クレア5.3xエボリューションWタイヤ
②東和モータース:ヴォーンNEUN(R2Bレイアウト)
シングルタイヤの上に居住空間を載せることを前提として設計してきたビルダーさんにとっては、ダブルタイヤに載せる仕様に設計し直したりしなければならないなど課題が沢山あるそう。
ダブルタイヤ仕様キャンピングカーが市場にたくさん出回るまでには時間がかかるようです。
ダブルタイヤのデメリット
ダブルタイヤのデメリットもいくつかあります。
- タイヤ本数が多くなるので単純にお金がかかる
- 接地面が多くなるぶん地面からの突き上げを気にする人もいる
- 道路の轍(わだち)にハマりやすくなる

ただ、何も知らずに運転すると怖いですが「こういうものだ」と意識しながらであれば次第に慣れていきます。
おわりに:エアコンやFFヒーターなどよりも、まずタイヤ
エアコン・FFヒーター・電子レンジなどなど、居住性を高める設備やコト・モノで頭がいっぱいになる気持ちは分かります。
楽しいですもんね。

自分たちが怪我をしたりするだけならまだ自業自得で済みますが、なんの関係もない人達を巻き添えにしてしまったら?

本記事がなにか参考になれば嬉しいです。
本記事で出てきた空気圧チェッカーです




その他キャンピングカーの設備に関する記事はこちらからどうぞ